「恐ろしい手紙」(グロラー)
探偵小説の魅力は探偵のキャラクターの魅力 「恐ろしい手紙」(グロラー/垂野創一郞訳)(「探偵ダゴベルトの功績と冒険」) 創元推理文庫 相談に訪れたグラハト嬢は、紳士詐欺師・フェルト博士から強請られていることを打ち明ける。...
探偵小説の魅力は探偵のキャラクターの魅力 「恐ろしい手紙」(グロラー/垂野創一郞訳)(「探偵ダゴベルトの功績と冒険」) 創元推理文庫 相談に訪れたグラハト嬢は、紳士詐欺師・フェルト博士から強請られていることを打ち明ける。...
怪奇小説!? 犯罪小説!? 幻想小説!? いや…、 「ダイヤモンドのレンズ」(オブライエン/南条竹則訳)(「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」) 光文社古典新訳文庫 「私」は、巫女の神託によって完全なる顕微鏡をつくる方法を...
モームらしい衝撃度大の結末が 「マッキントッシュ」(モーム/河野一郎訳)(「百年文庫047 群」)ポプラ社 彼はほんのしばらくの間、海に入って水遊びをした。泳ぐには浅すぎたが、サメが恐ろしいので、背の立たない深いところへ...
「赤毛」以上の衝撃が読み手を襲います 「だれがコマドリを殺したのか?」(フィルポッツ/武藤崇恵訳) 創元推理文庫 最愛の妻・ダイアナの死から一年半。ノートンの人生は好転の兆しを見せ、彼はかつて思いを寄せていたネリーと結婚...
読み手は薄々気づいてしまうのですが… 「長方形の箱」(ポー/渡辺温訳)(「ポー傑作集」)中公文庫 問題の箱は、長方形でした。長さが約六呎、幅が約二呎半――私は精密と言へる程、気をつけて観察しました。この形は甚だ特異なもの...
「結婚ってこんなものだっけ?」という違和感 「下宿屋」(ジョイス/安藤一郎訳)(「百年文庫052 婚」)ポプラ社 ポリーのそぶりがすこし変になりだした、そこでその青年は明らかに動揺しかけていた。ついに、頃合いよしと見定め...
常習性、いや中毒性すら持っている厄介な傑作群 「失脚/巫女の死」(デュレンマット/増本浩子訳) 光文社古典新訳文庫 デュレンマットは一九二一年生まれのスイスの作家です。主に劇作家として大活躍しました。特に五〇年代から六〇...
タイパ最高探偵ダゴベルトの魅力 「奇妙な跡」(グロラー/垂野創一郞訳)(「世界推理短編傑作集2」) 創元推理文庫 産業クラブ会長グルムバッハから事件捜査の依頼を受けたダゴベルトは、会長夫人とともに現場へ急行する。途中、夫...
誰にも教えず一人でこっそり愉しみたい作家 「帰宅」「小さな弟」「いちばん罪深い者」「ふたりの乞食」「強情な娘」「老人の死」(フィリップ/山田稔訳)(「百年文庫043 家」)ポプラ社 四年ぶりに家に帰ってきたラルマンジャは...
その奥行きの深さを十分に堪能すべき 「デイジー・ミラー」(H.ジェイムズ/小川高義訳)新潮文庫 スイス・ヴェヴェーで出会った美女・デイジーミラーは、今はローマに滞在していた。伯母からの手紙を受け取ったウィンターボーンはロ...